売れない漫画誌 作品の複雑化が要因、新人育成に障害に文句を言ってみる。

読者の漫画誌離れについて、ある大手出版社の漫画誌編集者は「今の読者は複雑なストーリーを持つ長編作品を好む。たとえば浦沢直樹さんのヒット作『MONSTER(モンスター)』や『PLUTO(プルートウ)』のように、長大で複雑な話を漫画誌で細切れに読んでも話が見えず、面白みが伝わりにくい。『漫画誌はやめて、単行本が出てから一気に読もう』となってしまう」と嘆く。

これは出版側の勝手な言い訳だと自分は考えています。今の出版不況が起こり始めたのが
リンク先にもあるとおり1990年後半、平成2〜3年頃ですが

漫画雑誌は出版界全体を覆う不況の影響を受け、一九九〇年代後半から部数を落とし始めた。平成六年に六百五十三万部を記録した週刊「少年ジャンプ」は、今でも少年誌の首位を守っているが、部数は半分以下の三百万部。

 この時期の少し前1990年ごろから本屋で漫画にビニールカバーをかけて、立ち読みを禁止した形で漫画単行本売る事が始まりました。これが現在の漫画不況を作り出していった最大の要因だと考えます。
 漫画のメインターゲットである小学生のお小遣いでは、買える漫画雑誌や単行本なんてたかが知れています。ならどうして漫画好きになるのか? 立ち読みを通して漫画好きになっていくのです。小学生のころは買えなくても、中学、高校へ進んだときに買います。


 それが今の状況では、読めるのはコンビ二にある雑誌だけ、雑誌で面白そうと思っても、小学生には読み直す場所が無い。 結局以前のストーリーがわからないから読まない、雑誌もお目当てが終わってしまえば当然読まなくなり、単行本もそれしか買わない。 そして漫画離れのスパイラルが進行していきます。
 一部の単行本しか売れないと言うことは、それ以外の漫画がつまらないと言われていると同じことなのに気がつかないのだろうか?

 読者を取り込むための常套(じょうとう)手段として、毎号の連載でサスペンスを盛り上げ、次号へ興味をひっぱる方法があるが、「下手をすると、単行本になった際にストーリーが不自然になり、売り上げに響く。本当に難しい」と前述の編集者はいう。今のところは読者懸賞の充実などしか手立てがないようだ。

 下手をするととかじゃなく、今までの漫画はそれでやってきて、そして成功を収めています。つながりを不自然にならないようにするのが漫画家の力量であり編集の役目なのに、それを放棄してこんな事を言えるとは、この編集さんは無能なんだろうなと感じました。
 読者側はサスペンスは無いけれど押さえておかないければいけない部分というのは読んでいてわかります。大人だからと言うわけではなく子供でもそうだと思います。


不況を読者のせいにするのではなく、読者の側に立った本を売るという基本から考え直さないと、漫画誌はこのままどんどん衰退していくと思います。


以上から、今の出版業界がやるべきことは、本屋に働きかけビニールカバーをはずし、新しい読者の導入を図ることが必要だと思います。
(ネタ元・TBN)


追記 2007/12/22
 この記事と同じ日に書いた雑記にコメントが付いているのですが、はてなの表記方法が変わったためここだけで読むと見えなくなるので転載します。


同じ日の雑記(だんげの発言)

ビニールカバーは本当に駄目システムだ。でかい本屋の閑散とした漫画コーナーを尻目にブックオフの盛況ぶり。 子供から大人まで漫画を夢中で読んでるのがわかりまくりです。
熱気むんむんです。


普通の本屋はあれ見て危機感とか感じないのかしら?不思議で仕方ねえ。


hotaruika 2005/04/28 00:08

とはいえ、昔見た光景でショッピングモールにて子供が単行本を読み散らかしているのを見てカバーしとけと思ってました。新刊のはずなのに他人が読んだ本は買いたくないです。


n 2005/04/28 04:00

私は、中身を見て面白そうなら買う。
だから、ビニールかかっていて読めない本屋では買えない。
福袋じゃないんだから、中身の分からないものは買えないよねえ。


muroi 2005/04/28 08:18

私の一般人の知り合いは、雑誌もCDもほとんど買わないし、TVも見ない。空き時間はメールと携帯アプリ。
現代の若者はオタクとDQN(モテ系)の二極化が始まっていて、コンテンツを金を出して買うのはオタク層のみ。
現在の音楽界やゲーム、漫画などの不況は、DQNであることが素晴らしいとするメディアの風潮が
文化を消費する購入層を駆逐しているからなんじゃないかと。


honya 2005/04/28 09:41

書店で働いてますが、危機感なんて感じたことないですね。むしろ新刊書店でコミック立ち読みフリーの店を見ると度胸ありすぎだと思います。ほとんどの人は「シュリンクなしの店で立ち読みし、買うほどでなければ買わない、買いたくなったらシュリンクしてある店できれいな本を買う」です。マンガ売場が閑散としてる店があるなら、それはシュリンクのせいではなく品揃えとか他の要因です。紀伊國屋ジュンクのコミック売場を見たことがありますか?
立ち読み用に平積の一冊だけとかシリーズものの一巻目だけシュリンクをはずしてる店はありますね。現状ではそれが書店に出来る最大限の譲歩だと思います。


i 2005/04/28 18:43

muroiさんやhonyaさんのコメントに同意。
音楽界はmp3の氾濫が売り上げを落としていると散々騒いでいたが、消費者は欲しければ買う。cccdまでつくって大騒ぎした結果売り上げは戻ったのか?
honyaさんの「買いたくなったらシュリンクしてある店できれいな本を買う」は大有りだと思います。
首都圏から少し離れればニッチな層の新刊は取り次ぎが配本すらしないのですから。スリップ回収がなくなってきたのも影響出てるのではないでしょうか。最近のコンビにでは週間まんがすら紐で閉じてあります。これも影響あると思われます。書店用配本希望書にヒット作を50と書いても30しか配本されてこない首都圏外の現状。新刊は発売後1週間が勝負なんです。
書店側で問題なのは、別にまんが好きでない店員の人達が多い現実です。平積みすべき作品と棚入れする作品と今月の新刊の中から区別もつかない。当然、パートの人になったらもっと知識ありません。
店長が一番ヒット作品を知らないという現実もあります。
チェーングループになると来た本を並べているだけですから。


ttt 2005/04/28 22:35

まぁあれだ、結局この手のものが売れなくなったのは、携帯電話料金が悪い。
可処分所得は限られてるからね。特に若者は。


dangerous1192 2005/04/29 02:49

 ビニールカバーのことシュリンクって言うんですね。知りませんでした。honyaさんhotaruikaさんが言われてるように、綺麗な本を買いたいって言うのはあると思います。ヘビーユーザはそれで満足なんでしょうけど、そのままだと新しい漫画好きがどんどん減っていく心配になっています。


 本屋さんの話題出したのは、本屋さんが危機感もってそういうことしたり提案してくれれば良いなという希望です。


 出版側に、一冊多く出荷してもらい「見本誌として棚に並べて置いてください」という本があればと考えています。 当然在庫の置き場も増えるため本屋さんの理解と協力が必要になってきます。
 全種類でなくても力を入れてる奴は見本をとって並べるとするだけで、本屋さんにも個々の味が出てよさそうなんですが。


muroiさん、tttさんが言われているように今は娯楽も増えて、お金の使い道も色々ありますが、だから駄目というのではなく、そこで顧客をひきつけるような新しいシステムの構築を考えていく時期に入ったのではないかと考えています。