容疑者Xの献身 見てきました

感想

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|         『おれは福山雅治の、イケメンぶりを 
         |l、{   j} /,,ィ//|        見せつけられると思ったら、いつのまにか
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ          堤真一のオタ喪男っぷりに感情移入して
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |         泣きそうになっていた。』       
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    超スイーツだとか催眠術だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

役者というか堤真一ってすごいな。 興味のない人には無理におすすめはしないけど、どうしようかな?って迷ってる人にはがっつり背中を押したい映画でした。


■小説を読んだ人へ
映画を見終わってから早速読みました。小説にほぼといっていいほど忠実な映画なので小説ファンの人が見ても楽しめると思う。


以下ネタバレ。見た人への感想です。反転してください。

ガリレオ先生のドラマは見ていないです。やってた事さえ知りませんでした。
※役名とかどうでもいいんで役者の名前で書きます。


■福山がかっこよすぎ。
そのせいで福山演じるところの湯川が完全無欠の人物に見えたんだが、終わってみたら全然空気読めていない馬鹿野郎でした。 最初から途中にかけての描写で完全無欠に見えていたため、終わってみたらのギャップがひどい。謎が解ければ満足でいいじゃないか、なんでそこで全てを貫いてまで守ろうとした堤を破ろうとする。しかも破り方がひどい。自分ひとりでは破れないから、わざわざ堤が愛した松雪から篭絡しようとする人で無しですよ。
 堤が隠して隠して愛していることに気が付いて、「誰も幸せにしない」とか言っちゃう。そういいながらも堤を落とすのは堤が愛した松雪しかないわけで、駒としてがっつり使う。挙句の果てに、最後には堤にスルーされて悔しくて壁とかたたいちゃって心優しい人物を演出ですか? まあなんと白々しい事でしょう。
 17年もの間、全く連絡を取っていない人の心が動かせるとでも思ってたのか? なんと傲岸不遜の馬鹿なんだ。馬鹿なら馬鹿で「人の心なんぞ知るか」という馬鹿に最初からしとけよ。このウンコ野郎がー。


福山がねー、完全無欠に見えてしまったからこんな感想になります。あれはねーわ。堤がかわいそう過ぎる。一心不乱に生きてきたはずなのに、希望を失った数学オタクの最後の願いぐらいかなえてやれよ。 お前の中途半端な虚栄心でいじっていいものじゃないんだよ。


罵倒できたので満足。というわけで、めちゃくちゃ心動かされてる事がバレバレな感想でした。当然ミステリーの部分もよく出来ていて面白かったんだけど、最後のオチだけが気に食わない。壁を叩いたってお前は痛くも痒くも無いんだろうと。あーもう。


■どんなラストなら満足したのか
福山が堤逮捕後に、松雪を訪れトリックを報告。そこで残した手紙とあわせて堤の深い想いを知る。
「私は堤を待ちます。いま堤さんを愛しているかどうかは解りません、いやこの気持ちは愛情でもないのかもしれません。でも私は堤さんを待ち続けることにします」
松雪はダンカンとの付き合いをやめる。


工藤は罪を背負い、松雪は想いを背負い、福山は真相を背負う。 


これなんですよ。日本人が大好きな三方一両損ですよ。めちゃくちゃ気持ちのいい終わり方。
身代わりにされた浮浪者が可愛そうでもあるけど、



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
娘が楽しく生きる>>>越えられない壁>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>浮浪者の死
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


完全にこんな感じですよ。「一度信頼した人が殺人犯&お母さんが殺人犯&自分が共犯人」のトリプル重責にあんな可愛い子が負けてしまって良いわけが無い。人の価値に違いはあるか? あるに決まってる。 だからあの娘さんを救うためにもこの終わり方になって欲しかった。


■小説を読んだ人への補足
早速読んだのは終わり方が気に食わなかったからです。読んでみた感想は小説はあれでよかったと思う。ガリレオ先生こと湯川が福山じゃなく完全無欠の人でもなかったから。あと松雪があそこに来たのは罪の意識にさいなまれただけでなく、娘にも負い目がある表現と、石神にそれほどの好意と信頼をよせている風でもなかったので。結局ガリレオを福山がやって大成功ではあったんだけど、もやもやっとした何かが残ってしまったのが残念だった。 


■良質のミステリーは良質の映像となる。
ゲーム原作だ、マンガ原作だという映画が多いんだけど、どんな物を下敷きにしてもしっかりやれば、きちんとペイするってのが最近の形なのではないかと。マンガとゲームの資源はちょっときついけど、まだまだ映像化されていないミステリーはごまんとあるので、今後に期待してます。


 個人的に、これはできる役者がいないだろうとおもっていたけど、島田荘司御手洗潔シリーズの映像化に尽力を尽くして欲しい。できるだろ福山雅春なら。今回のけれん味、にやりと笑っただけで人をひきつけるパワー。やばかったです。作者が映像化の許可をしていないけど、何とかやってくれないかなあ。